千葉大学災害治療学研究所

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福島第一原子力発電所を視察しました

令和4年9⽉28⽇
災害治療学研究所

令和4年8月19日に、福島第一原子力発電所の視察に参加しました。これは、東京電力ホールディングス株式会社が展示する東京電力廃炉資料館を見学し、福島第一原子力発電所(通称イチエフ)の廃炉作業を現場に立って視察するというものです。

まず始めに双葉郡富岡町にある廃炉資料館で説明シアターにより原発事故に関する経緯と現状の説明を受けた後、専用バスにて大熊町にある福島第一原発敷地内まで移動します。その道中に見える放射線量表示や立ち入り禁止区域の看板、震災当時からそのままとなっている衣料品店舗などが見られ、原発事故から11年が経過した今でも人々が戻ってくるにはまだまだ時間がかかる様子が伺えました。

イチエフの敷地内で専用の許可証を発行してもらい、個人線量計を装着した後は、バスの車内から構内の様々な施設を見学。
途中、1~4号機の原子炉建屋付近で降車し、担当の方からそれぞれの原子炉の燃料デブリの取り出し作業の状況について説明を受けました。原子炉建屋の付近では、線量計の数値は40マイクロシーベルト/毎時まで上昇し、アラームが鳴り出します。

福島第一原発_線量計.JPG

原子炉建屋付近での放射線量計表示80.1μ㏜/h

〈写真:東京電力提供〉

福島第一原発_建屋.JPG

2021年2月に燃料取り出しが完了した3号機

〈写真:東京電力提供〉

福島第一原発_集合写真.JPGのサムネイル画像

視察参加者

〈写真:東京電力提供〉

その後は、バスの中からALPS装置(汚染水浄化装置)やサブドレン浄化設備、免振重要棟(事故当時に緊急対策室があった棟)などを見学し、最後は海洋に放出されるALPS処理水の安全性と海洋生物の関係について説明がありました。情報の中には、私達が日常見聞きする内容とはややニュアンスが異なっていたり、最新の状況が周知されていなかったりする部分もあり、アカデミアの研究所として正確な情報を収集し発信する重要性も痛感しました。

この視察では、普段は滅多に立ち入ることのできないイチエフの様子を、原子炉建屋の目の前(約80m)で見学することができました。今も廃炉作業に日々従事する職員の現場での姿や、廃炉完了までの気が遠くなるほどの工程を目の当たりにして、本研究所が放射線災害に対する備えを進めていく意義と必要性を再確認する非常に貴重な機会となりました。

また、このような大変貴重な機会をいただくにあたって、福島県立医科大学放射線健康管理学の坪倉正治教授をはじめ、ご協力いただいた皆様に御礼を申し上げます。

※なお、本視察の個人での申し込み受付けは行っておりません。詳細につきましては東京電力ホールディングスのHPをご覧ください。

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