千葉大学災害治療学研究所

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『大規模地震時医療活動訓練 in 館山』を実施しました

令和6年10月17日
災害治療学研究所

 千葉大学災害治療学研究所と館山市は8月30日に締結した防災に係る連携と協力に関する協定に基づき、9月28日(土)に「大規模地震時医療活動訓練in館山」を実施しました。今年1月の能登半島地震では、電柱の倒壊や光ケーブルの切断等により停電や地上系通信の断絶が多発しました。そこで内閣府主催の大規模地震時医療活動訓練にあわせて首都直下地震を想定し、関係機関等の協力を得て「道の駅グリーンファーム館山」に衛星通信機能付きオフグリッド(電力自給型)診療コンテナ及び診療トレーラーハウスを設置して、その有効性を検証しました。
 電力自給型のコンテナは、平常時にはオンライン会議が可能なワーケーションのオフィスとして、トレーラーハウスは過疎地域の巡回診療に活用することを想定しており、いずれも災害時には初動医療体制の拠点として機能することが期待されます。
 なお、衛星通信機能(スターリンクと静止衛星回線を併用)付きオフグリッド診療コンテナ・トレーラーハウスの実証訓練は国内初となります。

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診療コンテナ                診療トレーラーハウス

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三木大学院医学研究院長と森館山市長          診療トレーラーハウスへの搬送

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診療トレーラーハウス内での診療風景           診療コンテナ内での診療風景

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衛星回線によるオンライン遠隔診療画面            会場風景


【森正一 館山市長のコメント】
 実証訓練のご成功おめでとうございます。「防災に係る連携と協力に関する協定」が実を結び、本日(9/28)の訓練が実現しました。私たちの地域がより安全な場所となること、千葉大学災害治療学研究所との協力関係がより強固なものとなり、今後の災害対応において大きな成果を上げることを期待しています。

【田中知明 災害治療学研究所長のコメント】
 首都直下大地震などの広域災害の時には、医療連携機能が分断してしまい、難病や糖尿病などを抱える被災者や避難者は、平時なら普通に受けられるべき適切な専門診療を受けられずに病気が悪化してしまいます。衛星回線を通したDMATと専門医チームの災害医療連携や、高次機能病院の遠隔診療支援が円滑になることで、災害による2次的健康被害の防止や、災害医療の更なる質の向上を期待しています。

【訓練概要】
 1.日時 令和6年9月28日(土)11:00~11:30
 2.場所 道の駅 グリーンファーム館山(千葉県館山市稲274番地)
 3.訓練内容
   (1)オフグリッド診療トレーラーハウスの実証訓練
     ・マイナポータルへのアクセス(処方薬等を確認)
     ・広域災害救急医療情報システム(EMIS)へのアクセス
     ・衛星回線によるオンライン遠隔診療(スターリンク)
   (2)オフグリッド診療コンテナの実証訓練
     ・衛星回線によるオンライン遠隔診療(静止衛星回線)

【参加機関等】
 ・千葉大学災害治療学研究所
 ・館山市
 ・奈良先端科学技術大学院大学(検証データ取得分析)
 ・スカパーJSAT株式会社(衛星通信回線)
 ・株式会社トレーラーハウスフロンティア・FYC
 ・KTX 株式会社(トレーラーハウスの企画・提供)
 ・株式会社ファイン(オフグリッドコンテナ)
 ・株式会社アイカン技研(風力発電システム)
 ・株式会社SHOTEC(コンテナの設計・製造)
 ・スカイネットワーク株式会社(通信ネットワーク構築)
 ・株式会社ファーストパーソン(通信ネットワーク構築)
 ・アラクサラネットワークス株式会社(通信ネットワーク構築)
 ・株式会社モバイル・プランニング(通信ネットワーク構築)
 ・株式会社日ノ出化工(雨水濾過浄水システム)
 ・千葉大学医学部救急サークルC-TAT(訓練サポート)
 ・株式会社正文社(訓練記録)

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