「災害治療学シンポジウム in 千葉 2023」を開催しました
令和5年12月26日
災害治療学研究所
令和5年11月23日(木・祝)に西千葉キャンパス けやき会館にて「災害治療学シンポジウム in 千葉 2023 見えない脅威に備えるレジリエントな地域共創社会を目指して」を開催しました。本シンポジウムは国立大学協会の支援のもと、「レジリエント社会・地域共創シンポジウム」の一環として採択された事業です。
第一部では、「目に見えない脅威」として、放射線災害・原子力災害に焦点を当て講演を頂いた。福島第一原発事故当時の放射線被ばくの検査、住民説明、子供たちへの学校健診の確立など、12年が経過するその時々での対応や備えが重要であること、さらには、原発事故に伴い、避難を余儀なくされた住民の皆さんが放射線被ばくによらない多岐にわたる二次的健康被害を受け、放射線被ばくの5倍から10倍の規模の健康被害を受けている実態が明らかにされた。
一方で、放射線被ばくによる障害に対しては、放射線医学研究所において、その予防や治療について活発に研究がなされ、現在も新たな技術開発を行うなど、成果を社会に還元する取り組みが行われ、24時間365日いつでも放射線事故に対応できる体制であることが発信された。また、緊急被ばく医療支援チーム(REMAT)の隊員より実際の活動紹介及びデモンストレーションが行われ、通常では目に触れることのない活動を知ってもらう貴重な機会となった。
また、今回は、産業界から原子力空調の役割と技術開発についても講演を頂き、一般空調と原子力空調の役割の違い、福島の津波被害、最近の豪雨災害などから、新たな技術開発が行われたこと、これらの技術が医療現場でも有効であることが明らかになり、今度の産官学連携による共同研究の推進に期待が寄せられた。
第二部では、「自然災害への備え」として、地震、台風、豪雨災害への備えとその取り組みについて講演を頂いた。関東大震災から100年を経過し、震災時に起きた災害の教訓ををもとに、いつ起きてもおかしくない首都直下型地震発生時に備えることの重要性について知る機会となった。また、救急現場で働く医師より、自然災害発生時の被災者治療への備えと取組について、実際の訓練の様子を紹介するとともに、DMAT車両の展示も含め、DMAT隊の活動について知ってもらう貴重な機会となった。
さらに、昨今千葉県においても、台風の上陸、線状降水帯の発生による豪雨災害など被害が多発しており、被災地域の自治体はもとより、県としての災害への取り組みについて、千葉県知事からビデオメッセージもいただき、県民・市民の方々に知っていただく良い機会となった。
今回の災害治療学シンポジウムの動画はこちら(千葉大学公式YouTube)からご視聴いただけます。
また、過去のシンポジウムの動画は以下のリンクからご視聴いただけます。
福島県立医科大学 坪倉正治 教授 による講演
量研・放射線医学研究所 神田玲子 所長 による講演
新日本空調株式会社 大堀美智男 様 による講演
量研・放射線医学研究所 北村 尚 様による講演
服部克巳 教授による講演
大島 拓 准教授による講演
いすみ市 太田 洋 市長からのビデオメッセージ
千葉県 熊谷俊人 知事のビデオメッセージ
REMAT隊展示
DMAT隊展示